バン(鷭)

初めてバンに出会ったのは25年も前である。空の色を映して青く流れる高麗川で、一見黒っぽく、そして赤と白のアクセントを付けて、水面を横切る姿は印象的でした。先輩の「昼だけどバンだよ!」の言葉と共に、一度で覚えた。
バンは本州北部以北では夏鳥で、関東地方以南は留鳥。高麗川や浅羽ビオトープでは通年観られる。
平地から山地の湖沼、池、河川、水田、湿地などを好み、生息活動する。雌雄同色で、成鳥は頭部から頸と体下面が灰色味のある黒色。背と雨覆には茶色味がある。脇には白色斑があり、下尾筒の両側が白い。嘴と額板は赤く、嘴の先は黄色。脚は黄緑で腿は赤い。雛は黒い綿毛に覆われ、 頭頂はピンク色で、目の上は青い。嘴は親鳥と同じで先は黄色、基部は赤い。
羽毛が生えて幼鳥羽になると、嘴の赤色は消える。幼鳥は褐色で、喉、頸の前面、体の下面が淡く、脇の白色斑はある。嘴は黄褐色。下尾筒は白い。
水面を泳いで餌をとることもあるが、広い水面に出ないで草かげで餌をとることが多い。警戒心が強く、少しの物音や人影に敏感で、草むらなどに逃げ込む
繁殖期には、水辺の草や芦原などに枯れ草を積み上げて巣を作る。5~12個の卵を産む。暖地では年に2~3回繁殖し、最初にかえった若鳥(1番子)が、次に孵化した雛(2番子)に餌を与えたり、親鳥の手伝いをする。水ぎわの草かげや、水草の上を歩き回ったり、泳ぎながら植物の実や昆虫類などを採食する。水上では尾を上げた姿勢で、くびを前後にふりながら泳ぐ。水面をけって助走し飛び立つが、長距離は飛ばない。ふだんあまり鳴かないが、繁殖期には「キュル」「クルルル」と高い声で鳴く。
筆者は以前、自宅近くの西坂戸調整池でヨシ原に営巣し、雛誕生を観察したことがある。巣は水面より少し高いところに作っていた。また、去る6月15日(水)、当会の「定例野鳥調査観察会」で、浅羽ビオトープ水路で、親鳥と若鳥が一緒に行動している姿を、浅羽野橋上で観ることができた。坂戸市浅羽ビオトープ生まれの「バン」に参加者一同感動!!

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆 ・ 絵 坂口 稔

niwasekisyou[1]
バン ツル目クイナ科
L(全長) 32cm
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