シリーズ植物     連載第33回

〜ビオトープの「春一番」〜❖ハンノキ❖

*2月中旬、青空を紅く染め河畔の春一番が咲く。
  枝先のしっぽ状の穂(石井運動公園の大木)は雄花の集まり。その下方の枝に、雌花が団子状に密集して咲く。
*風媒花で萼も花びらもなく、地味ではあるが苞葉の間から突き出る角状のめしべの先は 紅紫色で、大変美しい。
*12月には、小型松かさ状に成長した果穂から翼のある果実が風に乗って旅立っていく。
🔵 実を散布した果鱗は枝に残り、2月の花の果に加えて、7月には翌年の花芽が枝先に姿を現す。
 子々孫々―3代同居の“めでたい木”である。
ハンノキハンノキ-2ハンノキ-3
ハンノキ


《ハンノキの仲間・・・カバノキ科の果実いろいろ》

シラカバシラカバ
イヌシデイヌシデ
クマシデクマシデ
ツノハシバミツノハシバミ

形は変わっているが、みんな花の枝の複数の葉(苞葉)が一体化して果実を包むしくみは同じである。 ハンノキは3種の葉が重なり、最も木質化する。


石井公園の大木
石井公園の大木

♦開墾の木・・・「墾(はり)の木」
*河畔植生を一掃する規模の大洪水の後、最初に成立するのがハンノキ林だと言われる。
*しかし、現存の種は、その原始林の子孫ではない。
ハンノキは根が根粒菌の一種と共生し、水湿に強い為、水田耕作の「肥料木」として推奨されて来た歴史をもつ。 秋には天日干しの「稲架木」としても役立った。
*水田帯を後背にもつ、越辺川より下流部に残るのは その歴史的利用の子孫樹だと言われている。
♦県の蝶「ミドリシジミ」の食草でもある。
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