高麗川の野鳥たち  カイツブリ(鳰)  連載第28回

 連日の猛暑に涼を求めて、高麗川の水辺に佇む。「ケレケレケレー」と、どこからともなく涼しげな鳴声が、水面を渡って聞こえてくる。「どこだ~ あっいた 潜った。でた~ あんな所に!」 カイツブリは通年観られる、楽しい鳥です。

 オセアニアとアフリカ、ユーラシア大陸の中緯度以南に生息し、日本では本州中部以南で留鳥として周年生息するが、北日本や北海道のものは、冬は渡去暖地に移動する。
全国の平地から山地の湖沼、池、河川、河口、内湾などで生息。
 カイツブリ類中最小で、足指にひれ状の弁がついており、巧みに水をかいて、よく潜る。雌雄同色で、成鳥夏羽では顔から頸の上部は赤褐色。嘴は黒く、先端は黄白色で、嘴の基部にも黄白色の部分がある。虹彩は黄白色。脇腹は淡い橙色で尾羽はほとんどなく、白っぽい房状の羽毛。他は黒い。冬羽は全体にやや淡色です。
 繁殖期にはつがいで生活し、一定の範囲の縄張りをつくる。水面に垂れ下がった木の枝の上やアシの茎などに、水草の葉や茎で水面に浮き巣をつくる。「鳰(にお)の浮き巣」と呼ばれ、水面に出ている部分は皿型ですが、その5~6倍の厚さがある水面下の部分は、逆円錐形。繁殖期は長く、2月頃に幼鳥を見ることもある。卵数は3~6個、抱卵日数は20日~25日位。雛は孵化後すぐに泳ぐことができるが、暫くは巣に居る。雛はかわいい鳴き声で餌をねだり、親がくわえている小魚などをめがけて泳いだり、親鳥の羽の間から背中に乗ったりする。
2~3カ月間(幼鳥期)は、頸から上が白と黒の縞模様で「うりんぼう」などとも言われる。

 とにかく得意な潜水で、魚や水棲昆虫もよく捕らえ、ヒシの実などの植物質の餌もとる。筆者は以前、水中からザリガニをくわえて浮き上がったカイツブリが、ザリガニの螯に挟まれ振り放し、沈んでゆくザリガニを再度潜水し、見事捕らえて浮上したのを観たことがある。

 坂戸市内の高麗川流域では、多和目橋付近と森戸橋のあたり、浅羽ビオトープ ネムノキ広場に接する高麗川本流で生息し、よく観られる絶好の観察ポイントです。 さあ~観に行こう「潜りの名鳥」を!
※ 追記 カイツブリの古名は「にほ」または「みほ」です。『万葉集』『古事記』『日本書紀』に、にほとり(爾保杼里)、『古事記』に、みほとり(美本杼里)の名がみられる。

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参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他   
     文 増尾 隆
     絵 坂口 稔
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