カントウタンポポ(キク科)

タンポポはボタン穂の意で冠毛が球形についた果実穂を見立てた。日本の低地性タンポポには4種類の基本的タイプとその仲間があり各地域に連続的に変異し、トウカイ、シナノタンポポの中間型が関東地方に分布してこのように呼ばれるようになった。明治になって帰化し都市部では雑草になっている西洋タンポポは受粉せずに種子を作る性質があるので繁殖力はとても強く早い。
多年草で花期は3~6月高さは10~30cm
P/S 簡単な見え分け方としては総苞片が反り返っているのが西洋タンポポ、反り返っていないのが在来種です。また、太陽が出ていないときにも花を開いているのが西洋タンポポで日が沈むと花を閉じるのが在来種で分けることもできます。
浅羽ビオトープでは万葉橋を渡りビオトープに入ったところから上流部にかけて関東タンポポが頑張っています。しかし西洋タンポポと交雑したものも多くみられます。

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ムラサキケマン(ケシ科)

中国原産で古くから観賞用に栽培されてきた華(け)鬘(まん)草(そう)と同種で花が紫色であることからこの名がついた。日本全国で分布し田・畑・道端・林どこにでも生えている。
全体的にやわらかい葉は2回3出の複葉小葉は深い切り込みがある。
花茎の先に多数の紅紫色の花を開く。
越年草で日本全国に分布、花期は4~6月、高さは20~50cm。

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P/S ムラサキケンマンソウはビオトープ近くの林に群生地があります。
5~6月ごろほんの2週間くらい優雅な姿で舞う
ウスバシロチョウの食草です。

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参考文献 北隆館「野草大図鑑」
文 山下 茂 写真 吉野 信次




訂正(シリーズ野草 連載18回)
前号のサワトウガラシの写真で一緒に写っている花(ユウゲショウ)が目立ち、サワトウガラシと識別しにくい状況でしたので訂正写真を掲載してお詫びします。

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2012.05.27 No24 ウグイス
ホーホケキョの鳴声で知られ、私たち日本人が親しみ古来より数多くの詩歌に詠まれた鳥、ウグイス。まだ寒さ残る2月下旬関東各地で黄色い花の福寿草、そして梅の開花の便り。3月に入ると冬枯れだった浅羽ビオトープの木々の冬芽も、薄緑に日ごとふくらみ「春遠からじ」の感がする。3月14日(今年)当会「定例野鳥調査観察会」で、春を告げるやぶの小鳥ウグイスの「ホーホケキョ」の初鳴きを聞く。春です!
 
ウグイスは日本三鳴鳥の一つで、山梨県と福岡県の県鳥であり、多数の市町村で自治体指定の鳥としている。日本全国に分布し留鳥であるが、山地や北の地方のものは冬季、低地や暖地に移動する漂鳥。平地から山地の林に生息するが、繁殖期はササやぶのある場所を好んで生息する。
雌雄同色ですが、雌は雄より2cmほど小さい。頭からの上面は灰色っぽい黄緑褐色で、眉斑は白い。淡い黒褐色の過眼線がある。体下面は汚白色で、脇腹は淡褐色。
やぶの中を活発に枝移りしながら移動し、主に昆虫類やクモ類などを採食する。一部のものは一夫多妻で繁殖するが、低木の枝やササ上に、ササやススキの枯葉などで横に入口のある球形の巣を作る。産卵期は5~6月、卵数は4~6個、抱卵日数は14~16日、巣立ちまでの日数は14日位。ホトトギスに託卵されることもある。
 越冬期には市街地の公園や住宅の庭などによく現れ、木の実も採食する。鳴鳥と言われるウグイスも、冬季は「チャッ、チャッ、チャッ」と鳴く。地鳴きとか、ササ鳴きと言う。浅羽ビオトープで「ホーホケキョ」の鳴声は、春さき(3月)から盛夏(8月)まで聞かれます。

 俗に「梅にウグイス」といい花札に描かれている鳥は、メジロです。緑色の「うぐいす豆」の色彩がうぐいす色と思われがちですが、ウグイスの羽色は緑よりも、暗緑褐色です。メジロは大きさもウグイスに近く、体も緑色なので「ウグイス」と誤認されている方が多いようです。メジロは花の蜜を求めて、梅の花の咲くころに姿を見せるので「あっ、ウグイスだ」と思うようですが、「梅にメジロ」のことが多いです。

    春来ぬと人は言えども
     鶯の鳴かぬ限りはあらじとぞ思ふ
      『古今集』春上・壬生忠岑(みぶのただみね)

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆
絵 坂口 稔

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     ウグイス


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     メジロ



初観察記録 スズガモ(鈴鴨
今年初めての野鳥調査は1月11日に20名と多くの参加により実施しました。
野鳥の種類は例年とあまり変わらないようですが、それぞれの個体数が極端に少ないのが気になります。今回も観察種数36種、外来種1種、番外1種、参考記録2種でしたが個体数が少ない種が多かったようです。
さて、調査の終わりごろになって高麗川本流にてスズガモ雌1羽を観察でき、貴重な記録を得ました。
 スズガモは海ガモ類で東京湾には毎年数万羽が渡来し、特に珍しい種類ではありませんが、海から遠いこの周辺へはほとんど渡来しません。
キンクロハジロ等に迷い込んで一緒に渡来したものと思います。
会としては初めての観察記録で観察累計記録では94種となりました。
浅羽ビオトープにはまだまだ珍しい野鳥の渡来が期待できます。
これからも多くの方の参加をお待ちしています。 
           記・絵 坂口

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news omote

「埼玉県水辺再生プラン」水路工事完成

約4年前、埼玉県の水辺再生プラン「ビオトープの水質浄化対策」に応募した経緯があります。このときは、ビオトープは埼玉県の直轄河川「高麗川本流」ではないとのことから採用されなかったいきさつがありました。
しかし、今回関係各位のお力添えで埼玉県の平成23年度助成が決定され、坂戸市が工事を実施し萱方地区の水路整備工事が完了しました。
高麗川5号堰から取水し鶴舞川を経てビオトープへの通年通水が実現しました。今回の工事では水路の底に石を配置することで水質の浄化作用を促進する工法がとりいれられるなどの工夫がなされました。今までの萱方地区は昔ながらの水路であり、冬期には田んぼが湿るからとの理由から通水量を「ホタルの生息に最低必要な水量だけ流す」となっていましたが、今回の改良工事によって田んぼへの影響がなくなることで堰からの通水量を増やすことができ、ビオトープへ流入する水量がふえることとなります。
毎年冬期にはビオトープの約2/3の水路の水が干上がり水棲生物が棲めなくなる環境でしたが、今回の工事完了によって通年ビオトープに水が流れることになり水質もより改善されることと思います。
完了検査が3月28日に埼玉県川越比企地域振興センターの小西部長、中村調整幹によって「埼玉県ふるさと創造資金」の書類審査と現地検査が行われました。
坂戸市河川公園課長、係長、5号堰水利組合長、高麗川ふるさとの会より会長、他が検査に立ち会い、新設の水路を爽やかに流れる水音に感動を覚えました。

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環境省 水環境保全活動功労賞

平成23年度、環境省の地域における河川等の水質浄化、生活排水対策等の普及啓発、水生生物の調査などを通じ、水・土壌環境の保全に関し顕著な功績のあった団体及び個人が対象、全国で26(団体19団体、個人7名)が 選ばれ表彰されました。
埼玉県からは高麗川ふるさとの会と他1団体が選ばれました。
これも会が発足以来、地道に活動を続けてきた会員の活動の成果と言えるでしょう。これからもなお一層の環境保全を目指して活動を継続していくためにも会員の皆様のさらなるご協力をお願いします。

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ビオトープ浚渫工事完了

昨年の「3・11東日本大震災」で延び延びになっていたビオトープの浚渫工事が年度末の3月に荒川河川事務所越辺出張所と坂戸市によって樋門上流部、樋門部分、樋門下流部に大量に堆積した土砂の撤去(*1)が行われました。
 また、ビオトープに流入する泥をためるための泥落としがその効果を果たせなくなっていたため、杭を撤去(*2)して水がスムースに流れるように改良しました。
更に、2年前にワンド中央部に掘っていただいた水路に水が回遊し水質浄化の効果を上げるように、もう一本水路を新設(*3)していただきました。
ビオトープ竣工時には水面だったワンドはヨシやヤナギが繁茂し陸地化寸前になっていました。
このワンド部分にはクイナ、バン等が営巣し毎年子育てをしています。
ワンド全面が陸地化してしまうとタヌキ、イタチ、野犬、野良猫等が簡単に入り込むことができ安全な子育て環境が脅かされることになります。
水路の完成により安全な子育て環境が守られるとともに、水質浄化の効果もさらにアップしていくことでしょう(*4)
5号堰からの「通年通水でビオトープに安定した水量が確保されること」と、水質浄化に効果のあるヨシの間を「水が回遊すること」によってどのような効果が表れるか、毎年4回行っている水質検査の結果が楽しみです。
6月3日に行われる「全国一斉水質調査」に高麗川ふるさとの会も参加します。
興味のある方の参加をお待ちしています。ビオトープ駐車場に9時集合です。ぜひ参加ください


堆積した土砂で短い長靴で水路に入れるようになっています


堆積した土砂を撤去


杭を抜きます


水路新設


水が巡回します






環境デー(毎月第1火曜日)・水辺の整備(第3土曜日)

この冬は降雨量が大変少なくビオトープの約2/3が干上がってしまうという状況でした。
樋門部に設置された泥落としの部分が上流より流れ込んできた土砂で埋まってしまっていますので、水流の少ないこの時期に土砂の撤去を行います。
土砂を撤去するには大きな機械を持ち込んで除去作業を行う必要がありますが,予算的にも毎年大がかりな作業を行える状況にはありません。
そこで「泥落とし部として作られた部分の仕様を変更しては?」との意見から土砂を水路の両端に移動させ、中央部に水を流すことにしました。
まず、設置してある杭を撤去する作業の準備を行います。
人や機械が入って作業を行えるように土砂を移動させて足場を固めました。
杭の付近はやわらかく大変深いため、状況を知らない人が入り込むと大変危険ですので,立ち入らないようにロープを張り警告板を設置しました。
人力での作業2時間で次回の作業に向けての準備はほぼ整いました。


土砂で埋まってしまっています


人力での移動作業です


ほたるの降る夜(西入間青年会議所)に共催

西入間青年会議所からの提案で全国のふるさと河川にも選定されている高麗川に、昔は生息していたホタルを再生させるプロジェクトをスタートさせたいとのお話がありました。
今年度は6月10日にビオトープ浅羽野橋付近で養殖ゲンジボタルの成虫を500匹放し、地域住民とともにホタル再生に向けた活動を行っていきたいとのことです。現在のビオトープの水質はホタルが生息するにはあと一歩のところですが、ビオトープにはカワニナ、タニシ、シジミ等もすこしずつですが生息してきています。
「青年会議所」「高麗川ふるさとの会」「地元自治会」のコラボレーションでホタル群れ飛ぶビオトープになればとても嬉しいことです。
今までは他団体とのコラボレーションができていない状況でしたが発足10年目を迎えた今年度一段と飛躍するステップになれば幸いです。


シリーズ 野 草     連載第19回

カントウタンポポ(キク科)
タンポポはボタン穂の意で冠毛が球形についた果実穂を見立てた。日本の低地性タンポポには4種類の基本的タイプとその仲間があり各地域に連続的に変異し、トウカイ、シナノタンポポの中間型が関東地方に分布してこのように呼ばれるようになった。明治になって帰化し都市部では雑草になっている西洋タンポポは受粉せずに種子を作る性質があるので繁殖力はとても強く早い。
多年草で花期は3~6月高さは10~30cm
P/S 簡単な見え分け方としては総苞片が反り返っているのが西洋タンポポ、反り返っていないのが在来種です。また、太陽が出ていないときにも花を開いているのが西洋タンポポで日が沈むと花を閉じるのが在来種で分けることもできます。
浅羽ビオトープでは万葉橋を渡りビオトープに入ったところから上流部にかけて関東タンポポが頑張っています。しかし西洋タンポポと交雑したものも多くみられます。

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ムラサキケマン(ケシ科)
中国原産で古くから観賞用に栽培されてきた華(け)鬘(まん)草(そう)と同種で花が紫色であることからこの名がついた。日本全国で分布し田・畑・道端・林どこにでも生えている。
全体的にやわらかい葉は2回3出の複葉小葉は深い切り込みがある。
花茎の先に多数の紅紫色の花を開く。
越年草で日本全国に分布、花期は4~6月、高さは20~50cm。

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P/S ムラサキケンマンソウはビオトープ近くの林に群生地があります。
5~6月ごろほんの2週間くらい優雅な姿で舞う
ウスバシロチョウの食草です。

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参考文献 北隆館「野草大図鑑」
文 山下 茂 写真 吉野 信次




訂正(シリーズ野草 連載18回)
前号のサワトウガラシの写真で一緒に写っている花(ユウゲショウ)が目立ち、サワトウガラシと識別しにくい状況でしたので訂正写真を掲載してお詫びします。

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高麗川の野鳥たち  ウグイス(鶯)連載第24回

ホーホケキョの鳴声で知られ、私たち日本人が親しみ古来より数多くの詩歌に詠まれた鳥、ウグイス。まだ寒さ残る2月下旬関東各地で黄色い花の福寿草、そして梅の開花の便り。3月に入ると冬枯れだった浅羽ビオトープの木々の冬芽も、薄緑に日ごとふくらみ「春遠からじ」の感がする。3月14日(今年)当会「定例野鳥調査観察会」で、春を告げるやぶの小鳥ウグイスの「ホーホケキョ」の初鳴きを聞く。春です!
 
ウグイスは日本三鳴鳥の一つで、山梨県と福岡県の県鳥であり、多数の市町村で自治体指定の鳥としている。日本全国に分布し留鳥であるが、山地や北の地方のものは冬季、低地や暖地に移動する漂鳥。平地から山地の林に生息するが、繁殖期はササやぶのある場所を好んで生息する。
雌雄同色ですが、雌は雄より2cmほど小さい。頭からの上面は灰色っぽい黄緑褐色で、眉斑は白い。淡い黒褐色の過眼線がある。体下面は汚白色で、脇腹は淡褐色。
やぶの中を活発に枝移りしながら移動し、主に昆虫類やクモ類などを採食する。一部のものは一夫多妻で繁殖するが、低木の枝やササ上に、ササやススキの枯葉などで横に入口のある球形の巣を作る。産卵期は5~6月、卵数は4~6個、抱卵日数は14~16日、巣立ちまでの日数は14日位。ホトトギスに託卵されることもある。
 越冬期には市街地の公園や住宅の庭などによく現れ、木の実も採食する。鳴鳥と言われるウグイスも、冬季は「チャッ、チャッ、チャッ」と鳴く。地鳴きとか、ササ鳴きと言う。浅羽ビオトープで「ホーホケキョ」の鳴声は、春さき(3月)から盛夏(8月)まで聞かれます。

 俗に「梅にウグイス」といい花札に描かれている鳥は、メジロです。緑色の「うぐいす豆」の色彩がうぐいす色と思われがちですが、ウグイスの羽色は緑よりも、暗緑褐色です。メジロは大きさもウグイスに近く、体も緑色なので「ウグイス」と誤認されている方が多いようです。メジロは花の蜜を求めて、梅の花の咲くころに姿を見せるので「あっ、ウグイスだ」と思うようですが、「梅にメジロ」のことが多いです。

    春来ぬと人は言えども
     鶯の鳴かぬ限りはあらじとぞ思ふ
      『古今集』春上・壬生忠岑(みぶのただみね)

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆
絵 坂口 稔

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初観察記録 スズガモ(鈴鴨
今年初めての野鳥調査は1月11日に20名と多くの参加により実施しました。
野鳥の種類は例年とあまり変わらないようですが、それぞれの個体数が極端に少ないのが気になります。今回も観察種数36種、外来種1種、番外1種、参考記録2種でしたが個体数が少ない種が多かったようです。
さて、調査の終わりごろになって高麗川本流にてスズガモ雌1羽を観察でき、貴重な記録を得ました。
 スズガモは海ガモ類で東京湾には毎年数万羽が渡来し、特に珍しい種類ではありませんが、海から遠いこの周辺へはほとんど渡来しません。
キンクロハジロ等に迷い込んで一緒に渡来したものと思います。
会としては初めての観察記録で観察累計記録では94種となりました。
浅羽ビオトープにはまだまだ珍しい野鳥の渡来が期待できます。
これからも多くの方の参加をお待ちしています。 
           記・絵 坂口

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通常総会のご案内

来る6月17日(午前10時より)大家公民館多目的ホールにおいて「第10回高麗川ふるさとの会通常総会」を開催します。
今年度は発足10周年を迎える記念すべき年となります。会員の皆様方にはお忙しいとは存じますが、ぜひ多くの方に出席いただきますようご案内申し上げます。
総会開催時に「高麗川・浅羽ビオトープの自然」吉野信次さん撮影/編集の上映を行い、初夏から初秋の美しいビオトープの自然をお楽しみいただきます。
総会にやむを得ず欠席される方は送付資料に同封の委任状の提出をお願いいたします。
同封にて24年度会費の振替用紙を送付させて頂きましたので納入をお願いいたします。


高麗川ふるさとの会 会報 通巻第28号
2012年6月1日発行
発行責任者 三浦 輝夫
編集責任者 芦田 みちよ
事務局
350-0292 坂戸市千代田1-1-1 
坂戸市役所 河川公園課内
電 話   049-283-1331 内線523
FAX   049-283-1685


コマちゃん・飛翔


5月16日の植生観察会でビオトープにアカネの自生が確認されました。
早速杭を打ちロープを張って保護しました。
しかし1週間後に杭・ロープが持ち去られてしまいました。とても悲しいことです。
幸いにもアカネは無事でしたが・・・

アカネは特に珍しい植物ではありませんが紅花よりも古くから、アカネの名が示すように根は赤色の染料として使われてきました。
つる性の植物ですが直立することができず、他の植物に寄りかかって伸びたり、地面を覆って成長する性質のため今まで私たちの眼にとまらなかったのだと思います。
ビオトープにはこのように私たちが確認していない貴重な植物がまだまだ自生していることと思います。
植生観察会もこの10月で5年目に入ります。まだまだわからないこと、覚え切れないことばかりですが、回を重ねるたびに植物の不思議さ、面白さが増してきます。

 平成23年度、環境省の地域における河川等の水質浄化、生活排水対策等の普及啓発、水生生物の調査などを通じ、水・土壌環境の保全に関し顕著な功績のあった団体及び個人が対象で全国で26(団体19団体、個人7名)が 選ばれ表彰されました。
埼玉県からは2団体が選ばれました。
これも高麗川ふるさとの会発足以来、地道に活動を続けてきた会員の活動の成果と言えるでしょう。これからもなお一層の環境保全を目指して活動を継続していくためにも会員の皆様のさらなるご協力をお願いします。


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アカハラ(赤腹)

浅羽ビオトープの木々が、黄や明るい茶色に装い、赤いカラスウリの実が目を楽しませてくれる晩秋から、枯葉が舞い落ちる初冬11月頃アカハラは飛来し、3月中旬に去る冬鳥です。
アカハラは本州中部以北の山地で繁殖し、秋冬には暖地に移動する。
高山地では夏鳥で、筆者は以前伊香保森林公園「シダの池」で6月に観察したことがある。
明るい林や、木がまばらで藪などもある環境を好み生息する。
成鳥雄の頭部は黒味のあるオリーブ褐色で、背、翼、腰、尾はオリーブ褐色。胸から脇腹は橙色で、腹の中央から下尾筒は白い。
成鳥雌は頭部の黒味が無く、喉は白く縦斑が有り、胸から脇腹の橙色は少し淡い。
上嘴は黒く、下嘴は黄橙色。脚は橙黄色。繁殖地では、木の枝の上に枯れ茎、樹枝などで椀形の巣を作る。
産卵期は5~8月、卵数は3~5個、抱卵日数は11~14日位、巣立ちまでの日数は11日位です。
繁殖期以外は1羽で生活しているものが多い。
地上を数歩跳ね歩いては立ちどまる動作を繰り返し、落葉をはねのけたり、土をほじくったりして、ミミズや昆虫類の幼虫などを採食する。
秋には木の実も好んで食べる。
これ等はシロハラなど他のツグミ類に共通して観られる行動です。
繁殖期には雄が木の梢で早朝から大きな声で「キョロンキョロン、チリリリ」とか「ホィチョー、チリリリ」などとさえずる。
地鳴きは「キョキョキョ」「ツィツィツィ」「ツィー」と変化が多い。
浅羽ビオトープでは、同じツグミ科のシロハラも観察されるが個体数は少ない。
筆者はビオトープでのアカハラ、シロハラの姿を観た記録が少ないので、当会員のS氏にビオトープでの観察ポイントを、お聞きした。
「水路の浅羽野橋下流右岸の林の藪や草地で。高麗川右岸中里堰そばの林でも、よく姿を観る」とのお話です。
自分の野鳥観察記録ノートも開いてみた。
当会の定例野鳥調査観察会での直近の記録を書き出してみる。
2010/ 3/10(水)第81回定例 アカハラ(亜種オオアカハラ)
2010/ 2/10(水)第80回定例 アカハラ
2009/2/11(水)第68回定例 アカハラ・シロハラ・ツグミ
2009/ 1/14(水)第67回定例 アカハラ(亜種オオアカハラ)・ツグミ
2008/11/12(水)第65回定例 アカハラ・ツグミ
紙面の都合で、亜種オオアカハラ、シロハラの詳細は割愛する。
定例野鳥調査観察会は、毎月第2水曜日です。この冬シーズン、あなたもご参加を!

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他    
文 増尾 隆      絵 坂口 稔

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アカハラ  スズメ目ツグミ科  L(全長) 24cm

niwasekisyou[1] 
シロハラ  スズメ目ツグミ科 L(全長) 25cm            


バン(鷭)

初めてバンに出会ったのは25年も前である。空の色を映して青く流れる高麗川で、一見黒っぽく、そして赤と白のアクセントを付けて、水面を横切る姿は印象的でした。先輩の「昼だけどバンだよ!」の言葉と共に、一度で覚えた。
バンは本州北部以北では夏鳥で、関東地方以南は留鳥。高麗川や浅羽ビオトープでは通年観られる。
平地から山地の湖沼、池、河川、水田、湿地などを好み、生息活動する。雌雄同色で、成鳥は頭部から頸と体下面が灰色味のある黒色。背と雨覆には茶色味がある。脇には白色斑があり、下尾筒の両側が白い。嘴と額板は赤く、嘴の先は黄色。脚は黄緑で腿は赤い。雛は黒い綿毛に覆われ、 頭頂はピンク色で、目の上は青い。嘴は親鳥と同じで先は黄色、基部は赤い。
羽毛が生えて幼鳥羽になると、嘴の赤色は消える。幼鳥は褐色で、喉、頸の前面、体の下面が淡く、脇の白色斑はある。嘴は黄褐色。下尾筒は白い。
水面を泳いで餌をとることもあるが、広い水面に出ないで草かげで餌をとることが多い。警戒心が強く、少しの物音や人影に敏感で、草むらなどに逃げ込む
繁殖期には、水辺の草や芦原などに枯れ草を積み上げて巣を作る。5~12個の卵を産む。暖地では年に2~3回繁殖し、最初にかえった若鳥(1番子)が、次に孵化した雛(2番子)に餌を与えたり、親鳥の手伝いをする。水ぎわの草かげや、水草の上を歩き回ったり、泳ぎながら植物の実や昆虫類などを採食する。水上では尾を上げた姿勢で、くびを前後にふりながら泳ぐ。水面をけって助走し飛び立つが、長距離は飛ばない。ふだんあまり鳴かないが、繁殖期には「キュル」「クルルル」と高い声で鳴く。
筆者は以前、自宅近くの西坂戸調整池でヨシ原に営巣し、雛誕生を観察したことがある。巣は水面より少し高いところに作っていた。また、去る6月15日(水)、当会の「定例野鳥調査観察会」で、浅羽ビオトープ水路で、親鳥と若鳥が一緒に行動している姿を、浅羽野橋上で観ることができた。坂戸市浅羽ビオトープ生まれの「バン」に参加者一同感動!!

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆 ・ 絵 坂口 稔

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バン ツル目クイナ科
L(全長) 32cm
ホトトギス(杜鵑)

高麗川の河畔林に、緑の若葉が色増す初夏5月中旬に、ホトトギスは渡って来る。
 カッコウなど他のホトトギス科の仲間より小さく、九州から北海道南部の、低地から山地の林に渡来し繁殖、10月中頃に去る夏鳥です。
 雌雄同色で、成鳥の上面は灰黒色。喉から胸上部は灰白色。腹は白く、太くて粗い灰黒色の横斑がある。下尾筒は白く、羽先には黒斑がわずかしかない。雌には上面全体が赤茶色の「赤色型」の個体もいる。
 繁殖は主にウグイスに托卵する。雌は托卵相手の鳥の巣から1卵をくわえとり、ウグイスの卵に似たチョコレート色の卵を産み込む。仮親が抱卵を始めてから10日~13日で孵化する。1羽で林内で行動することが多く、主にガ類の幼虫を食べる。繁殖期の雄は「キョッキョッ、キョキョキョキョ」と鳴き続け、この声を「特許許可局」と聞きなされる。夜間も飛びながら鳴くことが多い。雌は「ピピピピ」と鳴くだけです。林縁の梢にとまって鳴くこともあるそうですが、木にとまっている姿を観ることは少ない。筆者の自宅でも、毎年この時季になると、ホトトギスの鳴声が聞こえてくる。近くの城山から「トッキョキョカキョク」と鳴きながら「新しき村」の田んぼ上空を飛ぶ姿もよく観る。会員のSさんに「浅羽ビオトープ周辺で、よく観られる所は」とお聞きした。「万年橋から下流、ビオトープ対岸までの高麗川左岸で毎年」だそうです。
 「トッキョキョカキョク」聞こえてきたら、上空を見上げます。鳴きながら、真っ直ぐ優美に飛ぶ姿を観ることでしょう。
 参考文献によると「万葉集」には、ホトトギス(保登等藝須・保登等伎須・霍公鳥)の名が約500見いだされ、かりとかりがね を合わせた51、ウグイスの47をはるかに超えているそうです。
   
 目には青葉 やまほとゝぎす はつ松魚(がつお)    素堂(そどう)

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他      
文 増尾 隆  絵 坂口 稔
          
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    ホトトギス ホトトギス目 ホトトギス科 
       L(全長)28cm
アオジ(青鵐)
        
 浅羽ビオトープに、秋から初冬への移ろいを感じる10月下旬から11月上旬、
ツグミ、シメ、カシラダカ、ベニマシコ、そしてアオジなど冬鳥が渡って来る。
アオジは夏鳥として北海道と本州に渡来し、繁殖する。
北海道と東北地方北部では、平地から山地まで広く分布するが、東北南部より南では、
春から夏(4月~9月)は山地にいて、秋から冬(10月~3月)は平地または南の暖地へ移動し、越冬する。
シベリア東部、サハリンや千島に生息し、一部が冬鳥として日本に渡来するものも多い。
 
雄の頭上と頬は緑灰色で、目先から嘴の基部は黒い。
背は緑灰色で黒い従斑があり、上面は淡い褐色。翼には2本の淡色帯がある。
下面は黄色で、胸と脇腹に黒褐色の従斑がある。
雌は全体に雄より淡色で、目先の黒色はない。
 本州中部では標高1000mぐらいの明るい林、林縁等で繁殖する。繁殖は一夫一妻で行います。
雄はよくさえずり、なわばりを確保します。巣作りは雌。子育ては雌雄協働で行います。
地上または低木の枝の上に、イネ科植物の茎や葉で椀形の巣を作る。
産卵期は5~7月、卵数は4~5個、抱卵日数は13~14日位い。巣立ちまでの日数は12~13日位である。
 越冬期には平地から低山の明るい林の下やぶ等草地で生活し、
地上を跳ね歩いて、草の種子や昆虫類、クモ類などを採食する。
 
 浅羽ビオトープでは同じ時季、アオジと同じホオジロ科のクロジも飛来している。
クロジは黒っぽい色の鳥です。常に暗いところを好んで生活し、地上を跳ね歩いて移動しながら、
草の種子や昆虫類、クモ類などを採食するのもアオジと同じ。
驚くとすぐにやぶ陰に入るので、観察するのがむずかしい。
 筆者は20数年のウオッチャー歴で2度しか観ていませんが、会員のMさんによると、
毎年浅羽ビオトープ内数箇所で観られ、今シーズンも雄2羽、雌1羽がはいっているそうです。
(紙面のスペース上クロジの詳細説明は割愛。坂口氏のイラストを参照してください)
 アオジ観察ポイントはビオトープ排門前の水路右岸の草やぶです。
11月10日(水)当会の野鳥定期調査観察会で、今季初確認。
とき折草やぶから出て明るい日の光を浴びると、胸から腹の鮮やかな黄色の美しさに、感動します!!
  
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆  絵 坂口 稔
 
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アオジ  スズメ目ホオジロ科 L(全長) 16cm
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クロジ  スズメ目ホオジロ科 L(全長) 17cm

     
                      
                              

キビタキ(黄鶲)
 
木々の葉が、新緑から日々色濃くなる4月下旬から5月、浅羽ビオトープにキビタキは渡来する夏鳥。そのさえずりは、オオルリやコマドリに比べても劣らぬ美声です。新緑の中に、黄と黒のツートンカラーでさえずる姿に出会ったとき至上の喜びを感じます。
 成鳥雄の上面は黒く眉斑は黄色で、翼は白斑があり腰は黄色、下面も黄色で喉は橙色。下腹部は汚白色。成鳥雌は全体にオリーブ褐色で、白斑も黄色の部分もない。平地から山地の林で棲息し、高木の樹冠の下に空間が開けているところで、中ほどの枝にとまり、あまり活発に動かず、昆虫類やクモ類を採食し、ときどき飛ぶ虫をフライングキャッチで捕食する。繁殖期以外は1羽で生活しているものが多く、さえずる時も林の中ほどの枯れ枝などにとまり、木の梢に現れることはあまりない。樹洞や、つるの間などに枯れ葉や細根などで椀型の巣を作り、産卵期は5~7月、卵数は4~5個、抱卵日数は13日位。雛は12日位で巣立ちする。
 浅羽ビオトープでの繁殖観察記録はありませんが、ビオトープ近くにお住まいの、会員のWさんのお話によると「7・8年ほど前から、毎年4月~5月に渡って来て数日から1ヶ月ぐらい居るよ」とのことで、南から北への渡りの途中でしょうか。今年5月13日、当会の野鳥定期調査観察会で「ハンモックの林(以前ハンモックがあった所)」で、美しい姿のキビタキ雄を全員で観られた。坂戸市内では、城山の森に毎年渡ってくる。両地区とも南に帰る秋の渡りの観察記録がありません。「ポッピピリ、ピピロピピロピピロ」緑の林や森に、美しいさえずりが響く!!
   
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
    文  増尾 隆 絵 坂口 稔

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      キビタキ スズメ目ヒタキ科
          L(全長)14cm
キセキレイ(黄鶺鴒)
 
キセキレイは、日本で繁殖するセキレイ類セキレイ科5種のうちの1種である。平地の水路や川岸、池、湖沼から山間の渓流まで広く生息し標高2000m以上の高地までいる。黄と黒のツートンカラーで、長い尾を上下に振りながら、水辺の石から石へと渡り歩く。 坂戸市内の高麗川流域では、セグロセキレイやハクセキレイより生息数が少なく、それだけに出会ったときにはその優美な姿に感動する。
 
 頭上、頬、背、肩羽は青灰色、眉斑と顎線は白い。翼は黒褐色で三列風切の外縁は白い。腰と胸からの体下面は黄色。外側尾羽は白い。成鳥夏羽雄は喉が黒く、雌は白っぽい。冬羽は雌雄共に喉が白く、脚は黄褐色。繁殖期以外は1羽で生活し、主に水辺を活発に歩き、水生昆虫類を採食する。ときどき空中に飛び上がって、飛んでいる昆虫類を捕食することも多い。
九州以北で繁殖し、石垣や崖の窪みに営巣するが、人家の屋根のすき間なども利用する。巣は枯れ草や松葉を使って、浅い椀形に作る。産卵期は4~8月、卵数は4~6個、抱卵日数は11~14日位、雛は11~14日で巣立ちする。繁殖期に雄は電線や屋根の上で「ツィツィツィ」「チョチョチョ」とさえずる。飛び立つときには「チチン、チチン」と鳴く。非繁殖期にはねぐらも木の茂みなどに単独でとるが、筆者はかって坂戸市千代田の若葉台団地内の木を、ねぐらにしているキセキレイ60羽ほどの群れを観察したことがある。
 浅羽ビオトープ周辺の高麗川では、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイの3種が同じような環境で、同じような生活行動をしています。おすすめの観察ポイントは中里堰です。
  
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
  文 増尾 隆    絵 坂口 稔

kisekirei[1]
キセキレイ

 

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セグロセキレイ



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ハクセキレイ
マガモ(真鴨)

マガモ(雄)は、緑色の頭と黄色いくちばしが目立つカモですが、高麗川ではカルガモなどに比べて生息数は少ない。北海道以北で繁殖し、本州以南の湖沼、池、河川などに冬鳥として渡って来るものが多いが、少数は留鳥として通年観察される。
 雄の嘴は黄色。頭は光沢のある緑色で、光の当たり方によって青紫色や黒く見える。細くて白い首輪があり、胸は焦茶色。体は灰白色で尾羽は白く、内側ほど褐色部分が多く、中央尾羽は黒くて上向きにカールしている。翼鏡は青紫色で、翼鏡をはさんで次列風切の先と大雨覆の先の白色羽が白線となる。足は赤橙色。雌は全体に褐色。頭頂と過眼線は黒褐色で、眉斑は淡く見える。嘴は橙色だが上嘴は黒く、周縁は橙色。尾羽は白っぽい。晩夏から初冬の雄のエクリプスは雌に似た色彩をしているが、嘴は黄色いので識別できる。日中、採食する個体もあるが、水面で休んでいることが多く、夕方になると活動を始め、水田や水辺の浅瀬などで採餌する。落穂や地上を歩いて草の実をついばんだり、水中に首を突っ込んだ逆立ち状態で、水草を食べたりもする。繁殖期には、草むらの中に枯れ草で皿形の巣を作り、自身の羽毛を敷き、6~12個の卵を産む。産卵期は4~7月です。
北海道や本州の山地で繁殖するものもあるらしいが、筆者は高麗川での繁殖例を知らない。カモ類では交雑例が多く、マガモのように見えるが体が大きい個体を観ることがある。交雑種のアイガモです。
11月初め、浅羽ビオトープの水路で、コガモと共に雄・雌一つがいの姿が観られました。キラキラと、光のきらめく水面に、立ち上がるようにして羽ばたき、水玉の飛沫が散る。私の大好きな光景だ!!
  
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
  文  増尾 隆 絵  坂口 稔

magamo mesumagamo osu

    L(全長) ♀ 53cm           ♂61cm
     
      マガモ ガンカモ目ガンカモ科 
アカゲラ(赤啄木鳥)
 
 浅羽ビオトープでアカゲラを観られるのは、そう多くはない。それだけに出会えたときは「特別な鳥を観た」喜びにしあわせな気分が心に広がります。
日本では本州以北の平地から山地に隆長として生息する。本州中部以北では低山の林にふつうにみられるが、本州西南部では少ない。四国九州には生息しない。
 雄・雌はほぼ同色で、成鳥雄は過と顎線が黒く、後頭は赤い。上面も黒く肩羽の先が白いので、背に逆八の字白斑となって見える。翼にも白い横斑がある。体の下面は淡黄褐色で下腹部と下尾筒は赤い。雌は後頭も黒い。幼鳥の頭上は雌雄とも暗赤色。
平地から山地の林で、一羽かつがいで生活する。木の幹に縦に止まり、くちばしで木の皮やすき間をつついて昆虫を捕る。木の実なども採食する。
枯れ木や生木の幹にくちばしで穴を掘って巣穴として、4~6個産卵し、2週間ほど雌雄が交代で抱卵する。春から夏にかけては「ドロロロ・・・」と枯れて音が響きやすい幹を連続してたたく。ドラミングである。首を前後して1秒間に18~22回叩くそうです。ドラミングはアリスイ以外のキツツキ科に観られる行動で「キツツキ」と呼ばれるゆえんである・
 筆者の浅羽ビオトープでの観察記録は、右岸側土手を歩いて土手下の林の木に「キョッ、キョッ、キョッ」と鳴きながら幹を下から上に上がっていく姿を観たのと、もう一度はネムノキ広場から高麗川中里堰左岸の樹林の木にアカゲラの姿を遠望しました。
坂戸市内では城山にも生息しています。
森や林の中を双眼鏡を下げて散策しましょう。
聞こえますか「ドロロロ・・・」のドラミングに「キョッ、キョッ、キョッ」の鳴き声。アカゲラ!!です。
  
 参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
   文 増尾 隆  絵 坂口 稔

akagera0001[1]

             アカゲラ  キツツキ目 キツツキ科
                 L(全長)24cm
ヒレンジャク(緋連雀)
 
 待ちこがれた春3月の初め、鶴舞樹林にヒレンジャク・キレンジャクの混群50羽ほどが飛来した。顕著な冠羽があり、その姿は印象に残る美しい鳥です。
ヒレンジャクの繁殖地はアムール川下流の狭い地域に限られており、日本には冬鳥として渡来するが、埼玉県内では3月から5月頃に群れで現れることが多い。鶴舞、浅羽地区には観察記録のある10数年前から毎年飛来するが、年によって個体数に変化があり、まったく来ない年もある。
 体は太り尾は短く、長い冠羽がある。全体はベージュに近い色で、上面は灰色味があり、腹部の中央は黄色く、下尾筒は赤い。尾羽は灰黒色で、先は赤い。顔の前面は赤褐色で、翼は黒く青味があり、大雨覆に暗赤色部分がある。イボタノキ、ネズミモチ、キヅタなどいろいろな木の実を採食するが、ヤドリギの実を特に好んで食べる。
 
 筆者は随分以前、軽井沢の湯川と小瀬林道沿いでヤドリギの実を食べているレンジャクの群れを見たことがある。しかし鶴舞樹林にヤドリギはない。群れで木から地上に降りて、ヤブランやジャノヒゲの実を食べる。高麗川をはさんで対岸(左岸)の樹林と浅羽ビオトープにもこれらが群生していて、レンジャクはこの3ヶ所を行き来しています。ウオッチャーによると、樹林で食事のあとは高麗川の水辺に降りて、水を飲む姿も観られたそうです。声は「チリチリチリ」と細く鳴き、飛び立つときに大きな声で「ピィイ」と鳴く。3月下旬、餌の実を食べつくしたのか、姿が観られなくなりました。多くのバードウオッチャーとカメラマンを魅了したヒレンジャクとキレンジャク。来春の再会を、お楽しみに!!
  
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他 
   文 増尾 隆  絵 坂口 稔

hirennjyaku[1]kirennjyaku[1]            
      ヒレンジャク                     キレンジャク 
      スズメ目レンジャク科
         L(全長)18cm                 L(全長)20cm
シメ(鴲)

夏場鳥影の少なかった浅羽ビオトープに、10月秋の深まりとともに、冬鳥がやって来た。ツグミ、アオジ、ベニマシコ、シメ。なかでもシメは数多い。ずんぐりした体形の特徴から逆光でのシルエットでもそれと分かる。
「ユーラシア大陸の亜寒帯で繁殖し、日本では北海道に夏鳥として渡来後繁殖し、冬期本州以南に移動する。大陸、サハリンなどから渡来する個体もある」と言う。さて、浅羽ビオトープにはどこから来るのでしょうか?
雄の頭上と頬は茶褐色、後頸と頸側は灰色で、背は暗褐色。風切は青い光沢のある黒で、大雨覆は白く、尾は黒褐色で外側尾羽の先は白い。尾は短い。嘴は太く肌色で春が近づくと鉛色になる。目先と嘴の基部、喉は黒い。雌は全体的に色が淡い。主に落葉広葉樹林や雑木林などの明るい林で生息し、市街地の公園や庭にも訪れる。繁殖期以外は単独で生活するが、春の渡りの時期には群れになって北上する。ムクノキ、エノキ、ヤマハゼ、カエデなどの種子を好んで食べ、地上に下りて落葉を払いのけて餌さがしをする姿もよく見かける。
 筆者の庭の餌台に、毎冬2羽のシメが来る。お目当てはヒマワリの種です。硬い外皮をその太い嘴で割り、中のやわらかい種実を食べる。先客のシメの後からもう1羽が来ると、激しく追い払って仲良く並んで食べることはないチチッ、ツツッ、キチッなど鋭い地鳴きで、さえずることはほとんどないが「チューピッピッピィー、チィッチィッ」の声の観察記録が北海道であるそうです。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他 
文 増尾 隆  絵 坂口 稔

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       シメ スズメ目アトリ科
       L(全長) 19cm


新観察記録  オシドリ(鴛鴦)
 
2008年11月14日朝、中里堰上流の護岸で雄1羽がコガモと一緒にいるのを確認しました。遠くて写真も写せず正式記録としても決めかねるので18日会員4名に連絡して再度確認していただきました。オシドリは明治神宮や井頭公園等都内でも方々で棲息する留鳥または漂鳥で特に珍しくもありませんが浅羽ビオトープ周辺では初めての観察です。あの独特の艶やかな色彩をもつオシドリが私たちの近くに飛来したことに感動を覚えました。27日に姿を観たのを最後に12月に入ってからは確認できません。残念です。              記 坂口
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エナガ(柄長)
 
初めてエナガに出会ったとき「なんて可愛い鳥だろう」と印象に残る小鳥だ。日本では北海道から九州までの全国に留鳥として生息し、繁殖する。平地から山地の林や、樹木の多い公園などにすむ。
浅羽ビオトープでは近頃よく見かけるようになりました。繁殖期はつがいで縄張りをもつが、非繁殖期は群れをつくる習性があり、シジュウカラ、メジロ、コゲラ等と混群をつくって行動することもある。
体は小さくて尾は長く、嘴は短い。雌雄は同色で頭上は白く、眉斑は黒くて頸、背にまで伸びる。肩羽はワインレッドで風切、尾羽は黒色。次列風切外縁と外側尾羽は白い。下面は白く下腹部から下尾筒が淡いぶどう色。枝先にぶら下がって昆虫類やクモ類、木の実など採食する。春先には、樹の幹から樹液を吸うことがある。繁殖期には、木の枝にコケ類をクモの糸で袋状の巣を作る。内部には羽毛を敷きつめる。産卵期は4~6月で、7~13個の卵を産み、13~15日位で雛に孵る。巣立ちまでの日数は14~17日位です。
この小文を書くにあたって、当会会員のKさんに話を聞いた。Kさんによると「毎年浅羽ビオトープ内で営巣しているよ」とのことです。ある時、枝に止まっている9羽の幼鳥を見て、そのとき親鳥と別の鳥がヘルパーとして幼鳥に給餌などの世話をしているのが観察されたそうです。筆者も自宅近くの林で、木の枝に幼鳥7・8羽が体を寄せ合って止まっているのを観たことがある。「押しくらまんじゅう」だ。「ジュリ、ジュリ、ジュリ」と鳴きかわしながら、群れで枝移りするエナガの姿を見ると、あなたもファンになるでしょう。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆    絵 坂口 稔

enaga[1]
   エナガ スズメ目エナガ科
   L(全長)14cm
モズ(百舌

モズは、鋭いくちばしを持つ小形の猛禽です。日本では北海道から九州までの全国に生息し、繁殖します。
北日本のものは冬期に暖地へ移動するが、浅羽ビオトープでは通年観られる留鳥です。農耕地周辺や林縁、川原など低木のある開けた環境にすむ。繁殖期はつがいで行動するが、非繁殖期は1羽で縄張りをもって生活する。
成鳥雄は頭上から後頸は橙褐色で、背が青灰色、尾は黒色で長い。過眼線が黒くて幅が広い。翼は黒くて初列風切の基部に白斑がある。下面はパフ色で胸から脇が橙色。雌の背は褐色で、翼には白斑がなく、過眼線は褐色。下面は褐色の波模様の横斑が特徴です。木の枝や杭などに止まり、地上に獲物を見つけると舞い下りて鋭いくちばしで捕らえ、もとの枝等に戻り食べる。
主に昆虫類やカエル、ミミズなど小動物を捕食します。捕らえた獲物を木のとげや小枝に刺す習性があり、これを「モズのはやにえ」と言います。筆者が今までに見た「はやにえ」はトカゲ、アマガエル、ミミズなどです。「はやにえ」は餌の少ない冬期の為に保存食とか、縄張りの印しとかの説があります。
産卵期は3~8月で、低木の枝に細い枯れ枝や細根で、椀形の巣を作る。4~6個の卵を産み、14~15日で雛に孵る。巣立ちまでの日数は約14日です。
秋には「キィーキィキィキィ」と縄張り宣言のさえずりをし、これを「モズの高鳴き」と言い俳句の季語にもなっています。またメジロやコジュケイなど他の鳥の声を入れた複雑なさえずりをする。「百の舌」と書く由縁である。
 
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他 
文 増尾 隆  絵 坂口 稔
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モズ スズメ目モズ科 L(全長)20cm

初観察記録 
ニュウナイスズメ「入内雀」


2008年2月11日午前中にビオトープの浅羽野橋付近の岸辺で1羽飛したのを、会員の北村、渡辺、前川が確認しました。近くの八丁湖では毎年3月中旬桜の蕾みの頃群れで観察されていますが浅羽ビオトープでは初めての記録です。特徴:普通のスズメ(14.5cm)より、ややちいさく14cm雄の 頭上は赤栗色で、頬の黒班はない。鳴き声:声はスズメに似ているが、チユンまたはチュツのほかにチイーという声で鳴く。分布:アフガニスタン北東部、中国中部・南部、ビルマ、台湾、朝鮮半島南部、サハリン。日本では本州中部以北の積雪の多い地方で繁殖する。生息場所:落葉広葉樹林の樹洞に巣をつくる。秋冬は温暖地の山地の林、農耕地、草地で過ごす。
写真 前川 洋右
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ニュウナイスズメ スズメ目ハタオリドリ科L(全長)14cm
ノスリ(鵟)

前回に続いて猛禽類のノスリです。浅羽ビオトープと周辺では通年観られる鳥です。
 ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯にかけて繁殖するが、日本では主に本州中部以北で繁殖する留鳥。
寒くなると寒地や高地のものの一部は暖地や低地に移動し、四国・九州では冬鳥です。
亜高山から平地の林に棲み、付近の草原や農耕地、牧場、川原など開けた場所で餌を捕る。
頭部は淡褐色で黒褐色の從斑があり、喉にひげ状の褐色斑がある。成鳥の上面は淡褐色から黒褐色。頸から胸は白っぽいものから淡褐色のものと個体変異がある。腹と脇腹は帯状に褐色で、腹巻をしている様に見える。上空を翼と尾を広げて輪を描いて飛ぶことが多く、下から観察すると翼角の黒斑が大きく目立つ。俗に目玉模様と言い、チョウゲンボウ等と比べて短い扇状に広がる尾羽とともに、識別のポイントだ。
餌はネズミなど小形哺乳類やカエル、ヘビ、昆虫、鳥類で木の枝などに止まって待ったり、帆翔しながら探し、獲物を見つけると停空飛翔(ホバリング)でねらいをつけ、急降下して捕らえます。このドラマチックなシーンを観ることが出来たら、あなたはラッキーです。
浅羽ビオトープの「合歓の木広場」から対岸、高麗川左岸の木に止まっているノスリの姿がよく見かけられます。
 
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他  
  文 増尾 隆  絵 坂口 稔

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ノスリ タカ目タカ科
 L(全長)♂52cm
      ♀57cm
チョウゲンボウ(長元坊)

生息場所:落葉広葉樹林の樹洞に巣をつくる。秋冬は温暖地の山地の林、農耕地、草地で過ごす。
浅羽ビオトープとその周辺では、5種類のワシタカ類が観察されます。オオタカ、ノスリ、チョウゲンボウ、ハイタカ、トビです。これらの猛禽類は食物連鎖の頂点に位置し、その生息は地域の自然の豊かさを示すものです。
チョウゲンボウの見分けはやさしい。尾が長くて翼先はあまり尖っていない。ひらひらとした羽ばたきと短い滑翔を交互にして飛び、頻繁に停空飛翔(ホバリング)する。ユーラシア大陸の亜寒帯から亜熱帯に繁殖地を持つ。日本では本州北部から中部で、4月初旬頃に海岸とか川岸の断崖の横穴や岩棚、大木の樹洞に巣を作り、4~5卵を産む。
成鳥雄は頭上から顔と尾羽が青灰色、上面は茶褐色で黒い斑点があり、風切りと尾の先は黒い。体下面は淡黄褐色で黒い従斑がある。成鳥雌は、上面が淡い茶褐色で黒い斑点があり、尾には数本の黒帯がある。翼の下面は雌雄共、白地に黒斑があるが、雄の方が斑が少なく白っぽく見える。
しばしば木や杭などの見張り場に止まり、獲物を狙う。獲物は小鳥や昆虫が多く、ネズミも捕る。坂戸市内でチョウゲンボウの面白い行動が観られる所がある。千代田4丁目の若葉台団地で、高層階の窓の庇に止まっていて、セミが飛ぶと空中で捕らえる。毎年夏に飛来し、Aさんの情報によると、今年は2羽だそうです。もう一ヶ所、入西の西清掃センターです。煙突の四面についた時計の針に止まって、獲物を狙っている姿が観られるでしょう。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他 
文 増尾 隆   絵 坂口 稔

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 チョウゲンボウ  ワシタカ目ハヤブサ科
   L(全長)♂33cm ♀38cm
アトリ(花鶏) 

この冬季、浅羽ビオトープでツグミ、シメ、アオジ、カシラダカ、ベニマシコなど、多くの冬鳥が観られた。アトリもその内の一種です。 
アトリはユーラシア大陸で繁殖し、日本には秋から初冬にかけて全国に渡来する。特に西日本では開けた水田地帯で、数千羽から数万羽の大きな群れが見られるようですが、坂戸市内では小群で、観察されるのも珍しい。
 雄の夏羽は頭上から頬が黒く、大雨覆の先は白く、橙色を帯びている。小雨覆は橙色。腰は白くて尾が黒く、先は股状。喉から胸と脇が橙色で腹は白く、下腹の脇に数個の黒斑がある。雌は頭部が灰褐色で、頸側は灰色味が強く、黒褐色の2本の頭側線が後頸までのびる。雄よりも、胸や脇の橙色は淡い。成鳥冬羽は雌雄とも淡色です。嘴は淡黄色で、脚は肉色。
参考資料には「山地の林で木の実を食べることが多いが、春には広い耕地に出現し、地上で草の種子や穀類を食べる」とあるが、浅羽ビオトープでは何を採餌しているのでしょうか?まだ観察確認されていません。 3月の観察会では、鮮やかに美しい夏羽の雄が観られました。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆 絵 坂口 稔

atori[1]     
  アトリ  (スズメ目アトリ科)
    L(全長)16cm
2012.05.06 No8 ウソ
ウソ(鷽
 
11月下旬浅羽ビオトープとその周辺で、バードウオッチャー数人によって、ウソの姿が観察された。この地域では初記録です。
筆者も11月30日と12月3日の「高麗川ふるさとの会第10回野鳥観察会」で多数の参加者と観ることができました。
ウソは本州中部以北の亜高山帯で繁殖し、冬期は繁殖地に留まるものもいるが、大部分は標高の低い山地や丘陵地に移動する。このような鳥を漂鳥と言う。
成鳥雄の頭は黒く、頬と喉は紅色。背と肩羽、小雨覆は黒灰色、大雨覆の羽先は灰白色。腰は白く尾羽は黒い。胸から腹は灰色で、下腹部から下尾筒は白い。嘴は短くて太く黒い。足は黒味のある肉色。成鳥雌は雄の紅色と灰色部分が灰褐色で、後頸は灰色。産卵期は5~7月で、針葉樹の枝の上に枯れ枝、サルオガセなどで椀形の巣を作る。卵数は4~6個、抱卵日数は14日ぐらい。雛は孵化後12~16日で巣立つ。ガの幼虫などの昆虫やクモを捕食するが、木の冬芽や花芽を食べる。特にソメイヨシノの花芽を好んで食べる。越冬期には、数羽から十数羽の群れで行動し、落葉広葉樹林で多く見られる。口笛ような声で「フィーフイ」と鳴く。移動するときや飛翔中によく鳴く。
私の鳥友I氏は、よく「フィーフィ」と口笛でウソの鳴きまねをしながら歩いていた。ウソがいると仲間の鳴き声と思い寄ってくるのだと言う。坂戸市内では城山荘の前の桜並木に、毎年2月から3月上旬飛来し、群れで桜の花芽をついばむ姿が観られます。群中には胸から腹まで紅い亜種アカウソもいます。さあー「フィーフィ」の鳴き声をたよりに浅羽ビオトープをあるきましょう。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆 絵 坂口 稔

uso.jpg       
     ウソ スズメ目アトリ科 
       L(全長)16cm
 

アオバト情報
   
    撮影日時:06年8月29日 3時30分頃
    場所:浅羽ビオトープ高麗川合流堰近く。 
仲間と対岸でササゴイの若鶏を撮っていたところ反対側、ビオトープ内のアカシアのてっぺんに止まったのを撮ったものです。
aobato[1]
オオヨシキリ(大葦切) 

4月下旬、浅羽ビオトープにオオヨシキリは飛来する。日本には夏鳥として九州から北海道までの海岸、河口、川岸、湖沼などのヨシ原に渡来する。特に水中からヨシが生えているような場所を好む。
雌雄同色で、頭からの上面はオリーブ黄褐色、眉斑は白い。喉からの下面は白いが、胸から脇腹は淡褐色を帯びる。ヨシ原や灌木のある草地を移動しながら、昆虫やクモ類を捕食する。繁殖は5~8月に1~2回行う。
一夫一妻の場合と一夫多妻の場合が知られている。巣は数本のヨシの茎に、イネ科の葉や茎を使ってお椀形の巣を作る。卵数は4~6個で、1日1卵づつ産卵する。抱卵日数は12~14日、雛は孵化後14日位で巣立つ。
巣作りや抱卵はすべて雌が行う。カッコウに托卵されて育ての親になることもある。繁殖期に雄は低木の梢や高いヨシの茎に直立した姿勢でとまり、上向きに橙赤色の口の中を見せて「ギョギョシ、ギョギョシ、ケケシ、ケケシ」と、少し濁った特徴ある声で盛んにさえずる。その声からオオヨシキリを行々子ともいう。主に日中にさえずるが、夜間もさえずり続けることがある。
 浅羽ビオトープでは、樋門前水路左岸ワンドのヨシ原で、また合歓の木広場から、高麗川ぞいに上流へ歩くと、対岸のヨシ原のあちこちでさえずる姿が見られます。「ギョギョシ、ギョギョシ」の声を聞くと、初夏の訪れを感じます。9月、秋の訪れとともに、東南アジアの方へ渡って行きます。ひと夏の賑わいを残して!

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆 絵 坂口 稔

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     オオヨシキリ  スズメ目ヒタキ科
         L(全長)18cm
イカルチドリ(斑鳩千鳥)

イカルチドリは通年見られる留鳥である。本州から九州までの各地で繁殖し、北日本のものは冬は暖地に移動する。
雌雄はほぼ同色で、額は白く、前頭は黒く過眼線も黒いが細くて淡い。胸に黒い帯があり、上面は灰褐色で体下面は白い。コチドリによく似ているが、イカルチドリの方が大きく嘴も長い。目の周りの黄色い縁取りも細くて淡い。脚は淡黄色。
川の中流より上の川原や中州にすみ、河口や海岸にはほとんどいない。繁殖期にはつがいで縄張りを持ち、砂礫地の地面に浅いくぼみを堀り、小石や植物の破片を敷いて営巣する。産卵は3~4個、雌雄で抱卵し、ヒナは27日ぐらいで孵化してまもなく巣を離れ、親鳥について歩く。親鳥は外敵が近づくと、擬傷行動をとりヒナを護る。餌は河川など淡水域の水辺で走りまわって、主に昆虫など動物質のものをとる。
浅羽ビオトープでは、ねむの木広場の高麗川に面した所に立って、中州を見てください。数羽の姿が見られるでしょう。動かないと石と見分けがつきにくいのですが、1羽見つけるとあちらにも、こちらにもと見つけられます。
3~7月の繁殖期には「ピオーピオー」とか「ピィ、ピィ、ピィ」と鳴きながら飛びまわり、その姿は高麗川の風物詩です。 

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他    
文 増尾 隆   絵 坂口 稔

ikarutidori[1] 
      イカルチドリ チドリ目 チドリ科 
           L(全長)21cm
クイナ(水鶏) 
 
クイナはユーラシア大陸の温帯とウスリー、サハリンなどに繁殖地を持つ。日本でも北海道と東北地方で繁殖するが、近年関東地方でも繁殖が記録されている。東北地方以北では夏鳥であるが、浅羽ビオトープでは秋冬に観察される。
雌雄同色で、成鳥は頭上から尾羽までの上面は茶褐色で黒い縦斑があり、顔から胸は青灰色で、黒い過眼線がある。腹と脇には白と黒の横斑があり、嘴は繁殖期には赤いが秋冬には黒褐色で、下嘴の基部だけ赤い。足は黄褐色です。
 
アシ原や水辺の草むらに生息するが、なかなか姿は見せません。浅羽ビオトープの浅羽野橋から見おろす水路で、餌とりしたり草むらに出入りする姿を見かけることがある。餌は昆虫類や小魚、甲殻類など動物質から草の実など植物質のものなど、いろいろ食べる。
 樋門下の左岸側ワンドの草むらの中から、クィ、クィ、クィと鳴き声が聞こえてきます。繁殖地でも越冬地でも縄張りを持ち、他の個体が侵入してくると威嚇して追い払う。
 繁殖期には沼沢地のアシ原や休耕地の草原で、枯れたアシや草で皿状の巣を作り、6~10卵を産みます。クイナがあまり知られていないのは、警戒心が強く人前に姿を見せることが少ないからです。是非、前述のポイントに足しげく通ってください。きっと、姿を見る一瞬のチャンスにめぐりあうことでしょう。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆  絵 坂口 稔
     
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       クイナ ツル目クイナ科
          L(全長)29cm
ササゴイ(笹五位)

ササゴイは世界中の温帯から熱帯で繁殖するが、日本でも本州から九州までの平地で繁殖する。南西諸島では冬鳥であるが、高麗川浅羽地区には4月から10月飛来する夏鳥です。
雌雄同色で、成鳥は頭頂が青味がかった黒色。後頭に長い冠羽があり背と体下面は青灰色で、大・中雨覆はササの葉に見える白い羽縁のある羽で、ササゴイの名の由来です。足と目は黄色。主に川で生活し、池沼や水田で見かけることもある。水辺にじっと立ちどまって魚を待ち伏せ、見つけるとさっと首を伸ばして捕食する。カエルや水生昆虫も食べる。夕方から夜間にかけて盛んに行動するが、日中もよく採食する。
 九州では、嘴で小さな虫などを水面に投げ、それに集まる小魚を捕らえる行動をするものもいるそうです。飛び立つときや飛びながら「キュー」と一声づつ鋭い声で鳴くことが多い。水辺近くの木の枝の上に小枝を積み重ねて皿状の巣を作り産卵します。ともに数つがいが小集団で営巣し、これをコロニーと言います。
 浅羽ビオトープの少し下流、高麗川中里堰で一羽のササゴイがよく居ます。堰上で魚を狙っているのです。鶴ヶ島市雷電池にササゴイのコロニーがあり、一説にはそこから飛来しているのだろうと言われています。
 
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
 文 増尾 隆   絵 坂口 稔

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      ササゴイ コウノトリ目 サギ科、 
        L(全長)52cm
ベニマシコ (紅猿子)
 
ベニマシコはバードウォッチャーに人気の赤い鳥だ。ユーラシア大陸東部の亜寒帯で繁殖し、日本でも北海道と青森県の下北半島で繁殖する。
 秋冬には本州以南の低地から山地の低木林や川岸のアシ原や草原にいるが、北海道にも少数がは残る。繁殖期以外は小群で生活する。
 成鳥夏羽は雄は全体が紅色で眉斑頬は白っぽい。翼は黒く2本の白帯がある。中央尾羽が黒く、外尾羽は白い。雌は全体が淡い黄褐色。成鳥冬羽は雌雄とも夏羽より淡色。「フィッフィ」とやわらかい声でよく鳴き、その声で存在に気づくことが多い。越冬期の餌は主に植物質で、地上でイネ科、タデ科の草の実を拾って食べる。
 浅羽ビオトープとその周辺では10月中旬から4月上旬までセイタカアワダチソウの種子をついばんでいる姿をよく見かける。外来種として除草対象となるセイタカアワダチソウだが、ベニマシコの生息環境にはなくてはならない存在である。
お勧めのポイントはビオトープの「ネムノキ広場」から高麗川本流沿いに上流方向に歩き、所々にあるセイタカアワダチソウの群生地。今シーズンには以前より多くの姿がみられ野鳥ファンの目を楽しませてくれた。
  
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
   文 増尾 隆   絵 坂口 稔 

benimasiko[1]
         ベニマシコ スズメ目アトリ科 
           L(全長)15cm
ジョウビタキ(上鶲
 
ジョウビタキは10月中旬浅羽ビオトープに飛来し、3月下旬まで観察できる冬鳥です。
繁殖地は遠くシベリアのバイカル湖から南東部、サハリン、中国北部等です。ジョウビタキに限らず、海を隔てた北西の大陸や、北の島からやってくる小さな冬鳥を見るとそのエネルギーに感動します。
 雄は頭頂から後頚までが灰白色で、顔と喉は黒、胸から腹、脇は橙色、黒い翼にはよく目立つ白斑があります。このことから「紋付鳥」と呼ばれています。雌は全体に灰褐色で、下腹部から尾は赤橙色、翼には小白紋があります。
明るい開けたところの低い枝や杭などめだつところにとまり「ヒッヒッ」とすんだ高い声で盛んに鳴きます。頭を下げ尾を上下して、くちばしを鳴らすような「カタカタ」という音も出します。地上に降りて昆虫を捕ったり木の実も好んでたべます。
雄も雌も1羽ずつが縄張りを持って生活し鳴き交わしたり追いかけっこをする姿が観察されます。印象的なのはヒタキ科特有の目です。クリクリッとした愛くるしい目が心をとらえます。
 浅羽ビオトープ内のあちこちで見られますが樋門周辺がお勧めポイントです。
 
参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
  文 増尾 隆  絵 坂口 稔

jyoubitaki[1]
         ジョウビタキ スズメ目ヒタキ科 
          L(全長)15cm
ホオジロ(頬白)
 
浅羽ビオトープとその周辺に生息および飛来する野鳥を観察会や調査にもとづきシリーズで紹介しようとの試みです。まず第1回は先日の観察会(2004年7月4日)で参加者がじっくり観察できたホオジロです。
 ホオジロはこの周辺で年間を通じて常に観察できる留鳥です。
顔の白と黒の斑(頬白、和名の由来)と胸や脇の茶褐色が特徴です。(雌は色が鈍く、顔の斑は褐色)冬期には河川敷のヨシ原やササの茂みで地鳴きの「チチッ、チチッ」との声が聞かれます。早春から夏にかけての繁殖期には木の梢にとまって「チヨッピーチリーチョッ、チーック」と澄んだ声でさえずります。
 
夏の早朝、この澄んだ高らかなさえずりを聞いていると暑さも忘れて爽やかな気分にひたれます。時にはウグイスとの歌の競演を聞くこともできます。類似した種=ホオジロ科は大変多いのですがこの周辺でもあいから冬にかけて、コジュリン、オオジュリン、カシラダカ、アオジ等が観察できます。

参考資料:山と渓谷社・日本の野鳥 他
文 増尾 隆  絵 坂口 稔 

hoojiro[1]     
     ホオジロ スズメ目ホオジロ科 
      L(全長)14.5cm


あかねが見つかりました。特別珍しい植物ではありませんが、ビオトープでははじめての出現です。ロープを張って保護します。